最近よく耳にするようになった「ペット保険」。気になっている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
ペット保険とは、動物病院などでペットが診療や手術を受けた場合に、その診療費や手術費、入院費用などの一部を保険会社に負担してもらうことができます。
要するに、人間の保険と同じように、支払う費用が保険によって補償されることにより、飼い主の経済的な負担が軽減される、便利でありがたい仕組みといえます。
もちろん、その補償を受けるには保険会社との契約が必要で、その契約内容に基づいて飼い主は保険料を支払う必要があります。
ペット保険を扱う会社も増えてきていますし、支払う保険金の額や補償内容も様々です。加入を検討されている方は、ペットの種類やあなたのライフスタイルに合ったものを選ぶようにしましょう。
あなたのペットが生涯にわたって健康で丈夫で、ほとんど動物病院の世話になることなどなく、また、あなた自身にも経済的に十分な余裕があれば、ペット保険に入る必要はないかもしれません。
しかし、ペットの食事内容・飼育環境の向上や獣医療の高度化により、ペットの高齢化も進んでいます。それ自体は大変喜ばしいことですが、高齢化が進むと同時に、ガンや糖尿病、白内障などの病気になるペットが増えているのも事実です。
もしあなたの大切なペットが病気になったりケガをして、入院や手術、継続的な治療が必要な状況になり、しかも相当額の金銭的負担が生じるとしたら・・・?
そんなとき、ペット保険に入っていれば、診療費や手術代の一定金額が保険によって支払われるため、飼い主であるあなたの負担は大幅に軽くなります。
ペット保険は、いわば“転ばぬ先の杖”。加入していれば、万一のときも安心なのです。
ペット保険に加入できるペットの種類は、保険商品によって異なります。
一般的には犬と猫が中心ですが、それ以外に鳥、うさぎ、フェレットをカバーしている保険商品もあります。
また、チンチラ、リスザル、プレーリードッグ、ハリネズミ、リス、モモンガ、モルモット、ハムスター、オウム、ヨウム、ブンチョウ、サイチョウ、カナリア、インコ、ジュウシマツ、カメ、イグアナといった多くの鳥類、小動物、爬虫類をカバーしている保険商品(例:プリズムペット)もあります。
年齢や既往症によって加入制限を設けているものもありますので、保険商品を探す際には品種だけでなく、その他の加入条件も十分確認するようにしましょう。
一般的にペット保険と呼ばれているものには、損害保険会社が扱う「損害保険」と少額短期保険会社が扱う「少額短期保険」の2つがあります。
少々難しい話になってしまいますが、損害保険会社と少額短期保険会社の違いについて見てみましょう。
損害保険会社も少額短期保険会社も監督官庁は金融庁であり、情報開示、募集規制、責任準備金、検査・監督等の「責任」の範囲も同じです。また、「対象顧客」も不特定でよく、「その他事業」として「他保険会社商品の代理代行業務」も認められており、以上の点では損害保険会社も少額短期保険会社も変わりはありません。
損害保険会社 | 少額短期保険会社 | |
---|---|---|
損害保険契約者保護機構 | 加入 | - |
保険業への参入条件 | 免許制 | 登録制 |
最低資本金 | 10億円 | 1,000万円 |
取扱商品 | 無限定 | 少額、短期、掛捨てに限定(保険期間は2年以内で、保険金額は 1,000万円以内) |
異なる点は保険業への「参入条件」や「最低資本金」の額、「取扱商品」の内容などが挙げられますが、飼い主に直接的に関わってくることで言うと、損害保険会社は「損害保険契約者保護機構※1」に加入しているため、万が一損害保険会社が破綻した場合も、保険金が定められた割合で補償されるということです。
だからといって損害保険のほうがいいという話ではありません。少額短期保険は、読んで字の如く、“少額”で“短期”の保険のことで、支払う保険料が比較的少ないものが多いので、飼い主の経済的負担も軽くなります。
また、損害保険会社より少額短期保険会社の方が社数が多いため、ペット保険への加入を考えた場合、少額短期保険を含めたほうが、選択の幅が広がるというわけです。
損害保険と少額短期保険のメリット・デメリットも知ったうえで、加入できるペットの条件、保険料の額、補償内容などすべてを確認、比較して保険商品を選ぶようにしましょう。
転ばぬ先の杖、入っていて安心のペット保険ですが、具体的にどこでどのように使えるかが気になるところですよね。
基本的には、全国どこの動物病院で治療を受けても、保険が適用され、保険金(保険給付金)を受け取ることができます。保険金(保険給付金)を受け取るためには、治療を受けた際の領収書や診断書といった書類や各社指定の保険金請求書類が必要になります。
また、保険会社によっては、提携の対応動物病院で治療を受けると、その際に保険が即時適用され、会計時には、診療費の30%や50%といった自己負担分だけの金額を支払うだけで済む場合があります。
一番気になるのはやはり「補償内容」ですよね。
各保険会社が提供するペット保険は、当然ながら加入する保険商品によって「補償内容」が異なります。
主な補償内容としては、通院費、手術費、入院費といった動物病院での診療費を補償するもので、その診療費の一定額(30%、50%、70%、100%)が保険金を請求した後に戻ってくるシステムになっています。(※アニコムの「どうぶつ健保ふぁみりぃ」とアイペットのペット保険「うちの子」の場合、対応動物病院であれば保険金(保険給付金)の窓口精算が可能。診療費のお支払いは自己負担額のみで済みます)
このほかにも、ガンと診断されたときのガン補償や、死亡して火葬や埋葬をしたり仏具を購入したりした際に葬祭保険金がおりる補償プラン、飼い犬のかみつきなどへの賠償補償プランのある保険商品もあります。また、高度後遺障害保険金や診断書費用保険金などを補償してくれる保険商品もあります。
ペット保険の「補償内容」は保険商品を選ぶうえで重要な判断材料になりますので、愛するペットが万が一の際に、飼い主であるあなたがペット保険に何を望むのか、よく考えてから保険商品をお選びください。
募2409-190(26.08)